シンガポール、モール中国系テナント3年で倍増254件に
シンガポールの主要26モールで中国系ブランドのテナント数が2023年の122件から2026年に254件へ倍増し、全体の4.97%を占めた。
シンガポール貿易産業省(MTI)の国会答弁によると、2026年1月時点で登録小売事業者45631社のうち中国系(香港含む)は1390社で全体の3%、地場企業は89.7%(40931社)を占める。一方、メディアMothershipが主要26モールのテナント名簿を分析した結果、中国系ブランドのテナント数は2023年の122件(全体の2.46%)から2026年には254件(4.97%)へと3年で倍増した。地場ブランドは依然66%(3366件)を占めるが、同期間に米国系は22%、香港系は35%、豪州系は15%、台湾系は6%それぞれ減少した。コーヒーチェーンのLuckin Coffeeは2023年の2店舗から2026年9月に100店舗を突破、ミルクティーのMixueも10店舗から38店舗に拡大した。
飲食専門媒体Eatbookが5地域15モールを抽出調査したところ、中国本土発の飲食チェーンが占める割合は平均5.6%だった。クレメンティのGrantral Mall @ Clementiでは飲食店12件中7件が中国系だった。中国茶飲料のChageeは2024年8月の再進出後、2026年8月までに46店舗に拡大、Luckin Coffeeのアプリ会員は現地で約200万人に達した。ビジネス団体Bosses Networkのアンディ・フーン会長は、地場テナントが1平方フィートあたり36〜38シンガポールドル(約4417〜4663円)を提示する市場で、中国系ブランドは45シンガポールドル(約5521円)を提示する例があると述べた。Knight Frankの小売部門責任者イーサン・スー氏は、大規模な中国資本の流入が好立地の賃料上昇に寄与していると指摘した。シンガポール全域の店舗空室率は前期の6.4%から7.0%に上昇した。
背景
シンガポールでは約20年前に日本食レストランが相次いで進出した後、韓国料理店の波が続いた経緯がある。2024年には飲食業の閉店数が3047件に達し、2005年以来最多となった。高い賃料と人件費は同国飲食業界の構造的な課題とされてきた。
日本企業への含意
日本から進出する飲食・小売企業にとっては、中国系ブランドが好立地で高めの賃料を提示する動きが広がれば、出店コストや契約条件の見直しが必要になる可能性がある。2024年のF&B閉店数が2005年以来の高水準となったことは、既存店の賃料更新や撤退判断にも影響しうる。ブランド力だけでなく価格・立地戦略の再検討が求められる。
本記事の円換算は当日のレート(10000IDR=86.82円 / 1000VND=6.08円 / 1THB=4.65円 / 1PHP=2.47円 / 1MYR=38.40円 / 1SGD=122.70円 / 1USD=156.84円)によります。
出典
本記事は上記1社の報道にもとづきます。

