シンガポール産業用賃料、24四半期連続上昇 2026年7-9月期
シンガポールの産業用不動産賃料が2026年7~9月期に前期比0.5%上昇し、2020年同期の底値から24四半期連続の上昇となったとJTCなどが発表した。
シンガポールの産業用不動産ランドロードJTCと、不動産コンサルティング大手のJLL、Knight Frankは2026年10月22日、2026年7~9月期の産業用不動産市場レポートを発表した。JTCの全産業用賃料指数は前期比0.5%上昇し、2020年7~9月期の底値から24四半期連続の上昇となった。前年同期比では2.1%の伸び。産業用不動産価格は前期比1%、前年同期比4.2%上昇した。全体の入居率は88.9%で、前期から0.2ポイント低下した。第4四半期には新たに30万平方メートルの産業用スペースが完成する予定で、2027年から2030年にかけては年平均120万平方メートルの供給が見込まれている。第3四半期の投資売却総額は20億ドルだった。
用途別では、ビジネスパーク賃料が前期比0.1%、前年同期比0.7%上昇し、入居率は77.2%で前期から0.7ポイント低下した。倉庫スペースは賃料が前期比1%、前年同期比2.8%上昇し、入居率は89.7%。工場スペースは複数ユーザー向けで前年同期比1.6%、単一ユーザー向けで同3.1%賃料が上昇した。2027~2030年の新規供給のうち59%は単一ユーザー工場スペースが占める見通し。投資売却額は前四半期の14億ドルから20億ドルに増加し、残リース期間30年以下の工場の売却額は3億6070万ドルから9億7220万ドルへ拡大した。JTCは第3四半期に合計8万400平方メートルのスペースを配分する一方、10万5800平方メートルが返却され、うち71%は自然期限満了や事業統合によるものだった。JLL南東アジア調査・コンサルティング責任者のChua Yang Liang氏は、シンガポールなど東南アジア経済がAI関連の成長を取り込んでおり、賃料は前四半期と同水準の安定した伸びを維持していると述べた。Knight Frankシンガポールの入居者戦略・ソリューション責任者Tridiana Ong氏は、製造業が7.5%拡大し、特にAI関連産業の活動の強さを反映していると指摘した。
背景
シンガポールの産業用不動産賃料は2020年7~9月期を底に24四半期連続で上昇しており、過去3年間の年平均新規竣工量は約100万平方メートルだった。同国経済は2026年7~9月期に前年比5.4%成長し、製造業は同7.5%拡大した。
日本企業への含意
製造業やロジスティクス拠点をシンガポールに持つ日本企業にとって、産業用賃料・価格は緩やかながら上昇が続いており、AI関連需要を背景に単一ユーザー工場や倉庫の需給が引き締まる可能性がある。2027年以降は供給が増える見通しのため、新規拠点の賃貸・取得は供給タイミングを見極めた早期の計画が必要になる。短期リース資産の取引額増加は、保有資産の価値評価や売却戦略の見直しにもつながる。
本記事の円換算は当日のレート(10000IDR=87.72円 / 1000VND=6.12円 / 1THB=4.71円 / 1PHP=2.50円 / 1MYR=38.74円 / 1SGD=123.75円 / 1USD=158.10円)によります。
出典
本記事は上記1社の報道にもとづきます。

