シンガポールとUAE、包括的経済連携協定の交渉開始で合意
シンガポールとUAEは2026年10月21日、包括的経済連携協定(CEPA)交渉の開始や共同エネルギー作業部会の設立などで合意した。
シンガポールのローレンス・ウォン首相とUAEのムハンマド・ビン・ザイド・アル・ナヒヤーン大統領はアブダビで会談し、包括的経済連携協定(CEPA)の交渉開始、エネルギー分野の共同作業部会設立、水管理協力協定の更新、蚊など病害虫対策の知見共有協定の署名、防衛・AI・デジタル化分野での協力検討で合意した。両国の包括的パートナーシップは2019年に確立されており、今回はその枠組みを拡大する内容となる。会談はアブダビで行われ、関連式典はカスル・アル・ワタン宮殿で開催された。
両国の貿易関係では、2025年の財の貿易額が279億ドル(約3兆4534億円)、2024年のサービス貿易額が128億ドル(約1兆5844億円)にのぼる。エネルギー分野では2024年にUAEのエミレーツ原子力エネルギー公社とシンガポールのエネルギー市場庁が原子力協力協定を締結済みで、新設の共同作業部会はアブダビ国営石油会社とシンガポール通商産業省が関わる。水管理分野は、PUB(シンガポール水道庁)とアブダビ・エネルギー省(フィリピンのエネルギー政策を所管)が2018年に初めて締結した協定を更新し、水資源管理や気候変動対応、共同研究へと協力範囲を広げる。2026年9月にはアブダビ・シンガポール合同フォーラム(ADSJF)の第17回会合がシンガポールで開催された。第4回シンガポール・UAE合同委員会の開催も予定される。ウォン首相は「混迷を深める世界において、両国の連携はこれまで以上に重要だ。互いの強みを組み合わせることで、単独では成し得ない成果を達成できる」と述べ、UAEと中東が「困難な時期」にある中でシンガポールが信頼できるパートナーであり続けると語った。
背景
シンガポールとUAEの包括的パートナーシップは2019年に確立された。今回の訪問はウォン首相による5日間の中東歴訪の一環で、10月18日にカタールから始まり22日に終了する予定。シンガポールは2027年にASEAN議長国を務め、第3回ASEAN・湾岸協力会議(GCC)首脳会議が協力拡大の機会になるとされる。
日本企業への含意
エネルギー、水処理、ヘルスケア関連の技術を持つ日本企業にとって、シンガポールとUAEの協力拡大は中東市場への第三国経由の事業機会を示唆する可能性がある。特に水管理やAI・デジタル化分野での協力枠組みが具体化すれば、関連する日本企業が両国の協業スキームに参画できる余地が生まれる可能性がある。CEPA交渉の進展は、シンガポールを拠点とする日本企業の中東向け事業環境にも影響し得る。
本記事の円換算は当日のレート(10000IDR=87.92円 / 1000VND=6.12円 / 1THB=4.70円 / 1PHP=2.51円 / 1MYR=38.74円 / 1SGD=123.78円 / 1USD=158.23円)によります。
出典
本記事は上記1社の報道にもとづきます。

