フィリピン証取、609億ペソIPO後も次の大型上場模索
フィリピン証券取引所(PSE)は、GCash運営のMynt Inc.が609億ペソ(約1528億円)規模の過去最大IPOを実施したのに続き、次なる大型上場候補を探している。
フィリピン証券取引所(PSE)は、電子決済サービスGCashを運営するMynt Inc.が609億ペソ(約1528億円)規模の新規株式公開(IPO)を実施したことを受け、次なる大型上場案件の発掘を進めている。このIPOは2021年のMonde Nissin Corp.(菓子・食品大手)の記録を更新し、地場株式市場史上最大の新規上場となった。PSEのラモン・モンゾン社長兼最高経営責任者(CEO)は、今年末までに1800億ペソ(約4517億円)規模の資金調達実現を見込んでいると述べた。セブ州を拠点とする海運会社アズナー・シッピング(Aznar Shipping Corp.)は12月に6億7000万ペソ(約16億8136万円)規模のIPOを計画している。
モンゾン氏は、マーキュリー・ドラッグ(医薬品小売大手)やユナイテッド・ラボラトリーズ(製薬大手)、リビスコ(食品大手)といった大手非上場企業への上場勧誘を続けてきたが、これらの企業に上場計画は無いと明らかにした。一方、メトロ・パシフィック・インベストメンツ(Metro Pacific Investments Corp.)とサンミゲル(San Miguel Corp.)の有料道路事業統合が完了すれば、統合後の新会社が資金調達のため上場する可能性が高いと述べた。また証券取引委員会(SEC)がREIT(不動産投資信託)の適用範囲を拡大したことを受け、有料道路やデータセンターを対象とするREIT上場が増える見通しだとし、PLDT傘下ePLDT Inc.の完全子会社VITRO REITがデータセンターREITとしてIPOを計画していると明らかにした。ただし金利高を理由に、VITRO REITは当初予定の2026年上場を2027年に延期したという。
背景
Mynt Inc.のIPOは、2021年のMonde Nissin Corp.の記録を抜き、フィリピン株式市場で過去最大の新規上場となった。これを機にPSEは次の大型案件探しを本格化させている。メトロ・パシフィック・インベストメンツとサンミゲルは有料道路事業の統合を計画しており、統合後に新会社として上場する構想がある。SECはREITの適用範囲拡大を決定しており、不動産以外の有料道路やデータセンターもREIT上場の対象となる見通しとなっている。
日本企業への含意
日本企業にとっては、フィリピンの資本市場が有料道路やデータセンターなどインフラ分野のREIT上場を拡大する動きは、現地インフラ投資やデータセンター事業への参入機会拡大を意味する可能性がある。金融・商社・インフラ企業は、PSE上場を見据えた現地パートナーとの提携や、REITを通じた資産売却・資金調達スキームの検討が必要になる。また小売・製薬分野の非上場大手が上場に消極的な状況は、M&Aや提携による市場参入の余地を示唆する。
本記事の円換算は当日のレート(10000IDR=87.92円 / 1000VND=6.12円 / 1THB=4.70円 / 1PHP=2.51円 / 1MYR=38.74円 / 1SGD=123.78円 / 1USD=158.23円)によります。
出典
本記事は上記1社の報道にもとづきます。

