フィリピン、発電所の出力上限撤廃 600MW規制を解除
フィリピンのエネルギー規制委員会(ERC)が発電所1基あたりの出力上限を撤廃し、投資と競争を促す決定をした。
フィリピンのエネルギー規制委員会(ERC)は2026年10月9日付の決議で、発電所の出力容量に関する上限規制を撤廃した。これまでルソン島では1発電ユニットあたり600メガワット、ビサヤ・ミンダナオ地域では150メガワットの上限が設けられていたが、この規制を解除した。対象はルソン、ビサヤ、ミンダナオの全国の新規発電所プロジェクト。10月15日に発表された。電力供給の拡大と投資促進、競争の活性化が目的とされる。
新規プロジェクトは出力上限から外れるものの、送電網への接続要件は維持され、フィリピン国家送電公社(NGCP)または認定機関によるシステム影響評価を受ける必要がある。背景にはビサヤ地域の電力需給逼迫があり、1月から9月下旬までに発電所の強制停止に伴う黄色・赤色警報が123件発生した。ERCのフランシス・サタニーノ・C・ファン委員長は「時代遅れの容量規制を撤廃することで、投資拡大と電力供給の追加機会を開く」と述べた。また「優先すべきは単に大型発電所を増やすことではなく、追加される1メガワットごとが信頼性と効率性の高い電力システムに資することだ。消費者は安定供給と停電リスクの低減、公正な電気料金の恩恵を受けるべきであり、系統安全性を損なってはならない」と述べた。フィリピン独立系発電事業者協会(PIPPA)のアン・E・モンテリバーノ事務局長は「容量上限の撤廃が、発電から配電までのエネルギーの効率的な供給を確保するための送電網その他インフラの整備と合わせて行われることを期待する」と述べた。
背景
フィリピンの電力網、特にビサヤ地域では供給逼迫と需要増加を背景に赤色・黄色警報が相次いでいる。電力産業改革法の施行以降、同国の設備発電容量は2001年の約13000メガワットから現在の約32000メガワットへと倍増以上の伸びを見せている。
日本企業への含意
フィリピンで発電事業に参入・拡大する日本の電力・商社系企業にとって、大型発電ユニットの建設制約が緩和され、投資機会が広がる可能性がある。一方で送電網の接続要件やシステム影響評価は維持されるため、国家送電公社(NGCP)との調整や送電インフラの整備状況を見極めた投資判断が必要になる。
本記事の円換算は当日のレート(10000IDR=88.56円 / 1000VND=6.11円 / 1THB=4.71円 / 1PHP=2.52円 / 1MYR=38.82円 / 1SGD=123.46円 / 1USD=158.30円)によります。

