フィリピン炭鉱入札にSMPCが異議、投資550億ペソ主張
フィリピン最大の石炭生産会社セミララ・マイニング(SMPC)が、セミララ島炭鉱の入札で財務提案額のみを重視したエネルギー省の決定を批判した。
2026年10月14日、SMPCはエネルギー省(DOE)が実施するセミララ島炭鉱の採掘契約入札について、入札手続きに違反し、技術力や採掘経験より財務提案額を優先していると批判した。SMPCは現在の操業者で、採掘事業に累計550億ペソ(約1386億2599万円)を投資してきたと主張する。DOEは2026年9月に最初の入札を中止し、その後DOEと環境天然資源省(DENR)が共同で新たな入札枠組みを定める行政命令を発出、第2回入札が実施されている。
SMPCは、落札予定者が約4000人の作業員を新たに採用・訓練する必要があり、採掘対象の石炭層は海面下350メートルに及び、大型運搬トラックのタイヤは高さ9フィートに達すると指摘した。さらに石炭に到達するには1時間あたり高層ビル1棟分の深さに相当する海水をくみ出す必要があり、これは試行錯誤を重ねて得たノウハウだと説明した。SMPCは「採掘経験ゼロの最高額入札者は、石炭生産量も政府取り分もゼロになる可能性が高い」とし、入札公告や事前資格審査がなく、質問への公式回答もなく、落札方法が完全に非公開だったと主張した。
背景
DOEは2026年9月に第1回入札を中止し、その後DOEとDENRが共同行政命令(JAO)を発出して第2回入札の枠組みを定めた。新ルールでは、参加者が採掘資産をDOEに引き渡すことが求められ、落札者は2027年7月に操業を引き継ぐ予定とされている。SMPCは以前から資産引き渡し要件について懸念を示してきた。
日本企業への含意
フィリピンの資源・エネルギー権益に関心を持つ日本企業にとって、入札手続きの透明性や資格審査の有無は重要な判断材料になる。資産引き渡しを伴う新ルールの詳細が不明確なままでは、現地での長期投資計画や操業引き継ぎリスクの評価が難しくなる可能性がある。
本記事の円換算は当日のレート(10000IDR=88.31円 / 1000VND=6.11円 / 1THB=4.72円 / 1PHP=2.52円 / 1MYR=38.73円 / 1SGD=123.69円 / 1USD=158.30円)によります。
出典
本記事は上記1社の報道にもとづきます。

