ベトナム、自動車0%税優遇を2032年まで5年延長
ベトナム財務省は自動車の生産・組立向け0%税優遇制度を2027年末から2032年末まで5年延長する改正政令案をまとめ、司法省の審査に送る方針を示した。
ベトナム財務省(Bộ Tài chính)は、自動車の生産・組立に対する0%の優遇税率制度を5年延長し、2032年末まで継続する方針を示した。対象には部品も含まれる。現行制度は2018年に始まり2027年末で終了予定だったが、政令26/2023号を改正する政令案をまとめ、司法省(Bộ Tư pháp)の審査に送る段階にある。制度には工業貿易省(Bộ Công Thương)、外務省(Bộ Ngoại giao)、ベトナム自動車工業会(VAMA)も意見を出している。現在制度の対象となりうる自動車メーカーは40社、うち大規模で参加能力のある企業は16社。2025年の国内生産台数は48万台で前年比30.4%増、2026年上半期は28万4600台で前年同期比26.9%増と拡大している。
財務省の試算では、延長後は年平均で8000億ドン(約48億9515万円)の輸入税還付が見込まれる。見直し案では、輸出用自動車の生産・組立に使う部品について、輸入申告日から1年以内であれば0%税率を即時適用する方向。対象は輸出専用車に限り、輸入先市場の技術・環境基準または同等基準を満たす必要がある。0%適用となる部品数量は、実際の原単位と輸出契約・発注数量に基づき上限を設ける。財務省は「資金が滞留する期間を減らす支援策を含め、企業の輸出コミットメントを前提に政策を整備する必要がある」と述べた。
背景
制度は2018年から2027年末までの時限措置として始まり、工業貿易省や業界団体、企業から高く評価されてきた。一方で、9人乗り以下の小型車の国内部品調達率(国産化率)は低く、大規模な部品・部材の生産体制も形成されていない。輸出促進に向けた優遇策も産業発展の需要に十分応えられていないとされる。世界的に環境対応車へのシフトが進む中、国内メーカーへの要求水準は高まっている。
日本企業への含意
ベトナムで自動車や部品を生産・輸出する日系メーカーにとって、0%税優遇が2032年末まで延びれば投資計画やサプライチェーン戦略を長期的に設計しやすくなる。ただし対象は輸出契約に基づく数量や原単位の上限、現地の排出基準(レベル5)適合など条件が付く見込みで、部品調達や生産体制の国産化率向上が引き続き課題となる。制度の最終承認時期や企業要件の詳細を注視する必要がある。
本記事の円換算は当日のレート(10000IDR=88.52円 / 1000VND=6.12円 / 1THB=4.72円 / 1PHP=2.52円 / 1MYR=38.70円 / 1SGD=123.58円 / 1USD=158.28円)によります。
出典
本記事は上記1社の報道にもとづきます。

