マレーシア、データセンター建設中2.0GW ジョホール州が4.1GWで主導
Fitch Solutions傘下のBMIは、電力供給の制約がある中でもジョホール州(マレーシア南部、シンガポールに隣接)がマレーシアのデータセンター拠点として依然優位にあるとの分析を発表した。
BMIは2026年10月9日、マレーシアのデータセンター市場に関する分析を公表した。それによると、同国内の施設数は125カ所、稼働中の容量は925.6メガワットに達している。建設中の容量は2.0ギガワット、計画段階のパイプラインは3.1ギガワットに上る。地域別では南部ジョホール州のパイプラインが4.1ギガワットと突出し、クアラルンプールが104メガワット、サイバージャヤが850メガワットと続く。市場はAI向け施設への転換が進んでおり、2024年以降、大規模なAI特化型データセンターの計画が相次いで承認されてきた。
BMIは、100メガワットを超える施設に適用される新しい電力料金や、送電網のボトルネック、より厳格な持続可能性審査が執行リスクを高めていると指摘した。同社は「電力は依然として拘束要因であり、送電網のボトルネック、100メガワット超への新料金、より厳しい持続可能性審査が執行リスクを高め、タイやベトナムへの分散を後押ししている」と述べた。
背景
マレーシアのデータセンター市場は当初、供給制約に直面する隣国シンガポールへの近接性を背景に成長した。シンガポールの供給不足と賃料上昇を受け、事業者はジョホール州やインドネシアのバタム島など周辺市場への展開を進めてきた。マレーシア政府のデジタル国家構想「MyDigital」のもとでの政策支援や、ハイパースケーラーの投資、国内企業のクラウド移行需要も市場拡大を支えてきた。
日本企業への含意
日本のデータセンター関連企業やクラウド事業者にとって、ジョホール州は引き続き東南アジアでの拠点候補となるが、100メガワット超の施設には新たな電力料金がかかるため、投資規模の設計段階で電力コストと持続可能性審査への対応を織り込む必要がある。電力制約が強まれば、タイやベトナムへの分散投資も選択肢として検討する余地がある。
本記事の円換算は当日のレート(10000IDR=88.52円 / 1000VND=6.12円 / 1THB=4.72円 / 1PHP=2.52円 / 1MYR=38.70円 / 1SGD=123.58円 / 1USD=158.28円)によります。
出典
本記事は上記1社の報道にもとづきます。

