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タイ中銀、中小企業向け新保証制度で年1000億バーツの融資目標

タイ中央銀行(タイの中央銀行)は中小企業(SME)の資金調達難を解消するため、信用情報基盤の新設や信用保証枠の拡大など3つの対策を発表した。

タイ中央銀行は「Thailand Economic Outlook 2027」の場で、SMEの資金調達難に対応する3つの施策を公表した。タイの事業者の99.5%、約328万社を占めるSMEは1360万人を雇用し、全雇用の70%に相当する。経済規模は1.73兆バーツ(約8兆1269億円)に上るとされる。一方でSME向け融資残高は16四半期連続でマイナスが続き、最も優良な上位30%のSMEでさえ融資を受けられるのは21%にとどまる。大企業の63%が融資を受けられるのと対照的だ。対策は、信用情報を一元化する「Credit Portal」、新たな信用保証の枠組み、代替データ交換局(Alternative Data Exchange Bureau)の3本柱。

新たな信用保証の枠組みは、有望なSMEへの融資を年間1000億バーツ(約4697億6587万円)押し上げることを目標に、5年間の制度として設計される。2027年第1四半期にシステムを完成させ、来年初めから運用を始める計画。Credit Portalは今年12月に開始し、2027年第1四半期に拡大する。代替データ交換局は定期収入のない層やSMEを対象に2027年半ばから年末の稼働を見込む。中央銀行の統計では、融資を受けられたSMEの3年目の生存率は93%、受けられなかった場合は75%、5年目では87%対65%と差が出ている。資金調達の内訳は、金融機関からの借入が66%、ノンバンクなど制度外からの借入が34%、うち10.5%は個人貸主や頼母子講に依存する。ウィタイ・ラタナコーン総裁は洪水の影響について、想定より長期化し範囲も広がっており、GDPへの影響や復旧資金の借入増加、債務増加の恐れがあるとして、民間銀行と国営銀行に被災者支援への協力を求めたと述べた。

背景

タイのSMEは創業から5〜10年の若い企業ほど融資を受けにくい構造的な課題を抱えてきた。経済成長率は1997年の通貨危機前は7.3%あったが、危機後は5.3%、さらに3.7%、一時マイナス2.4%まで落ち込み、2026年は2.3%の成長にとどまる見通しとされる。こうした長期的な成長鈍化とSMEの資金アクセス難が重なり、中央銀行が信用保証や代替データ活用による対策に乗り出す背景となっている。

日本企業への含意

タイに進出する日本企業にとって、現地SMEとの取引や合弁、サプライチェーンの裾野企業の資金繰りは事業継続に直結する。新たな信用保証枠や代替データ交換局が稼働すれば、取引先SMEの与信評価や資金調達環境が改善する可能性がある。一方で2027年までは制度整備の過渡期にあたり、洪水被害を受けた取引先の資金繰り悪化にも注意が必要になる。

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本記事の円換算は当日のレート(10000IDR=88.53円 / 1000VND=6.09円 / 1THB=4.70円 / 1PHP=2.52円 / 1MYR=38.68円 / 1SGD=123.52円 / 1USD=158.10円)によります。

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