フィリピンMGENとVITRO、データセンター向け電力で提携調査
フィリピンのMGENとVITRO REITが、再生可能エネルギーと発電設備を組み込んだデータセンター開発の共同実行可能性調査で覚書を締結した。
フィリピンの電力大手MERALCO POWERGEN(MGEN)と、データセンター運営会社VITRO REIT, Inc.は2026年10月1日、再生可能エネルギーと発電設備を統合したデータセンター開発の検討に向け、共同実行可能性調査を実施する覚書(MoU)を締結したと発表した。VITROはPLDTグループ傘下ePLDT, Inc.のデータセンター部門で、全国に11拠点のデータセンターを運営し、合計容量は約100MWに達する。MGENはマニラ電力(Manila Electric Co.)の発電部門で、2026年7月時点の純販売可能容量は5069.7MW、蓄電池システム(BESS)容量は56.4MWh。両社は電力需要が高まるデータセンター開発において、信頼性が高く費用対効果に優れた持続可能な電力供給の統合策を探る。
共同調査の対象範囲は、データセンター開発の候補地選定、発電容量、再生可能エネルギー資源、接続要件、データセンター仕様、商業的な事業構造に及ぶ。MGENが候補地の特定と電力供給案の評価を担い、VITROがデータセンターの設計、立地調査、接続計画、ハイパースケーラーや入居企業との折衝を主導する。VITROは2026年第4四半期の新規株式公開(IPO)を準備しており、当初は安定稼働中の8拠点のデータセンターを対象に含める見込み。MGENのルビオ社長兼CEOは、電力がデータセンターの立地と開発方法を左右する重要な要素になりつつあると述べ、両社の能力を結集して信頼性・費用対効果・持続可能性を備えた電力統合策を探ると説明した。VITROのヘヌイーノ社長兼CEOは、電力の費用と信頼性の改善が今回の提携の主要目的の一つであり、エネルギーはハイパースケール投資やAI投資をフィリピンに呼び込む決定的要因だと述べた。
背景
VITROは2026年第4四半期のIPOに向けた準備を進めており、当初は安定稼働中の8拠点のデータセンターを対象とする計画がある。
日本企業への含意
フィリピンでAIやクラウド関連投資を検討する日本企業にとって、データセンターの立地選定では電力の信頼性と再生可能エネルギー調達の確保が条件になる可能性がある。現地の電力会社とデータセンター事業者が連携する動きは、進出企業にとって電力調達の選択肢やパートナー候補が広がることを意味し、投資計画の電力面でのリスク評価に反映させる必要がある。
本記事の円換算は当日のレート(10000IDR=87.93円 / 1000VND=6.07円 / 1THB=4.68円 / 1PHP=2.51円 / 1MYR=38.51円 / 1SGD=123.09円 / 1USD=157.31円)によります。

