インドネシア原油95ドル予測、補助金燃料の値上げなし
インドネシア政府は2026年の原油価格平均が1バレル95ドル(約1万円)に達すると予測し、補助金付き燃料の価格は据え置く方針を示した。
アイルランガ・ハルタルト経済調整相は10月21日、大統領府で2026年のインドネシア原油価格(ICP)平均が1バレル95ドル(約1万円)に達するとの見通しを示した。現在の購入価格は1バレル91〜92ドル(約1万円)で推移しているという。政府は2026年国家予算(APBN)編成時に原油価格を1バレル70ドル(約1万円)と想定していたが、中東情勢の緊迫化で上振れが続く。バーリル・ラハダリア エネルギー・鉱物資源相(ゴルカル党党首)は、補助金付き燃料(BBM)の価格を引き上げない方針を示した。エネルギー・鉱物資源省(ESDM)傘下の石油ガス総局は10月12日、2026年9月のICP平均が1バレル112.81ドル(約2万円)になったと発表した。
石油ガス総局のラオデ・スレイマン総局長によると、9月のICP平均は8月の89.43ドル(約1万円)から23.38ドル(約3,699円)、率にして26%急上昇した。背景には中東の地政学リスクの高まりと供給途絶懸念があり、国際指標全般で価格が上昇したと述べた。同氏はまた、無人機攻撃を受けサウジアラビアの東西パイプライン(処理能力日量700万バレル)が予防的に一時閉鎖されたことも一因に挙げた。政府は2026年通年のICP平均を1バレル100ドル(約2万円)以内に抑える目標を掲げている。
背景
中東での軍事衝突激化や米国とイランの緊張、エネルギーインフラへの攻撃により、原油価格は年初来変動が続いている。ホルムズ海峡経由の原油輸出は減少し、OPEC+は増産枠の決定を先送りした。インドネシア政府は年初の国家予算編成時、原油価格を1バレル70ドル(約1万円)と見込んでいたが、情勢悪化で想定を大きく上回る水準が続いている。
日本企業への含意
インドネシアでは補助金付き燃料価格が据え置かれる方針のため、現地で事業を展開する日本企業にとって当面の燃料コストは安定が見込める。一方で原油高が続けば政府の補助金負担が膨らみ、財政圧迫から将来的な補助金制度見直しや物流・製造コストへの波及が起こる可能性がある。中東情勢を注視し、エネルギー調達や価格転嫁の計画を柔軟に見直す必要がある。
本記事の円換算は当日のレート(10000IDR=87.92円 / 1000VND=6.12円 / 1THB=4.70円 / 1PHP=2.51円 / 1MYR=38.74円 / 1SGD=123.78円 / 1USD=158.23円)によります。
出典
本記事は上記1社の報道にもとづきます。

