ベトナムのコーヒー輸出額、2025-26年度に85億ドルで過去最高
ベトナムコーヒー・カカオ協会(VICOFA)は、2025-26年度の同国コーヒー輸出額が過去最高の85億ドル(約1兆3422億円)に達したと発表した。
VICOFAは2026年10月19日、ホーチミン市で2025-26年度(2025年10月〜2026年9月)のコーヒー輸出実績を発表した。輸出額は85億ドル(約1兆3422億円)で前年度比1%増となり過去最高を更新した。輸出数量は180万トンで前年度比21%増加した。生産量は3170万袋(約190万トン)で、前年度比6〜10%増加。品種別ではロバスタ種が生産量の9割超を占め、ベトナムは世界最大のロバスタ生産・供給国の地位を維持した。世界のコーヒー市場は、国際コーヒー機関(ICO)によると2025-26年度に4年連続の供給不足から一転し、約300万袋の供給過剰に転じる見通しとなった。
コーヒー生豆の輸出は165万トンで前年度比21.4%増えた一方、輸出額は70億ドル(約1兆1053億円)で1.5%減少し、ロバスタ輸出平均価格は1トン3500〜4000ドル(約55万〜63万円)の水準だった。ホーチミン港のロバスタ輸出価格は2025年10月〜2026年1月に1トン4800〜5100ドル(約76万〜81万円)まで上昇したが、2026年5月には4411ドル(約70万円)まで下落、2026年の9カ月間で輸出平均価格は20%下落した。一方、深加工品(焙煎・インスタント等)の輸出は14万2600トン、15億ドル(約2369億円)で数量15%増・金額14%増と伸びた。輸出先はEUが38%超を占め最大市場、米国・日本は5〜7%を占める。EUの森林破壊防止規則(EUDR)に対応した製品には1トンあたり50ドル(約7895円)の上乗せ価格がついている。VICOFA副会長のドー・ハー・ナム氏は、コーヒー価格が長年の高値から調整局面に入る可能性はあるが、ベトナムの生産者は販売を急がず資産として在庫を保有する傾向があると述べた。JDE(Jacobs Douwe Egberts、大手焙煎企業)のタム・アイン氏は、ブラジルやウガンダが加工能力や国際的な販売網の強化を進めており、ベトナムは国レベルでのロバスタの宣伝活動が必要だと指摘した。
背景
ベトナムのコーヒー生産はロバスタ種が長年9割超を占めてきた。世界のコーヒー市場は過去4年連続で供給不足が続いていたが、2025-26年度に供給過剰へ転じた。コーヒー価格は長期にわたり高値圏にあったが、2026年2月以降は調整局面に入った。ベトナムの加工輸出はこれまで外資系企業が主導してきたが、国内企業も深加工への投資を強めている。EUはベトナム産コーヒーの最大輸出先であり、森林破壊防止を求めるEUDR規制への対応が課題となっている。
日本企業への含意
日本の商社やコーヒー関連企業にとって、ベトナム産ロバスタの供給量増加と価格調整は調達コストの見直し材料となる。EUDR対応品には上乗せ価格が生じており、日本企業も欧州市場向け再輸出や自社トレーサビリティ基準の整備を検討する必要が出てくる。また深加工品の輸出拡大が続けば、生豆調達から焙煎・インスタント製品の直接調達への切り替えも選択肢になり得る。
本記事の円換算は当日のレート(10000IDR=87.68円 / 1000VND=6.10円 / 1THB=4.73円 / 1PHP=2.51円 / 1MYR=38.71円 / 1SGD=123.43円 / 1USD=157.90円)によります。
出典
本記事は上記1社の報道にもとづきます。

