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IMFと世銀、タイで金融詐欺対策の新指針発表 手数料8分の1の例も

国際通貨基金(IMF)と世界銀行グループはタイ中央銀行(タイの中央銀行)と協力し、金融サービスにおけるサイバー詐欺の防止・検知・対応を目的とした世界的な戦略枠組み「バンコク・ブループリント」をバンコクで発表した。

IMFと世界銀行グループは、タイ中央銀行との協力のもと、金融サービスを狙うサイバー詐欺への対策をまとめた報告書「ザ・バンコク・ブループリント・フォー・フラウド・レジリエント・ファイナンシャル・サービシズ」を発表した。発表はIMFと世界銀行グループの年次総会に合わせて行われ、場所はタイの首都バンコク。この枠組みは、国境を越える決済システムの高速化・低コスト化が進む一方で広がるサイバー詐欺の脅威に対し、各国の金融当局や金融機関が初期段階から防御策を組み込むことを目指す世界的な指針として位置づけられている。金融安定理事会(FSB)やルワンダ中央銀行などの関係者も議論に参加した。

ルワンダ中央銀行のソラヤ・ムワニャヤ・ハクジヤレミエ総裁は、同国が3年前に導入した即時決済システム「eCASH」の事例を紹介した。導入後、送金手数料は約8分の1に低下し、最大1000万ルワンダフランの送金コストは1ドル(約158円)あたり2セントとなり、従来の1取引あたり3ドル(約475円)から大幅に下がった。人口1400万人の同国で、現在は月間約100万件の取引が行われているという。同総裁は、取引量の急増に伴い詐欺師やハッカーの標的にもなったため、インフラ構築の初期段階からAIによる不審取引検知の仕組みを組み込んだことが有効だったと述べた。FSB議長でイングランド銀行総裁のアンドリュー・ベイリー氏は、国境を越える決済の高速化・低コスト化を進める中で、当初からサイバーセキュリティ対策を組み込まなければ、システム連携の拡大が詐欺師のネットワーク拡大の機会を広げてしまうと指摘した。

背景

国境を越える決済は長年、遅く手数料が高いまま放置されてきた分野とされ、FSBはその改善に取り組んでいる。ルワンダ中央銀行は3年前に即時決済システム「eCASH」を開発し、取引コストの削減と取引量の増加に成功した一方で、詐欺師やサイバーハッカーの標的となる新たな課題も生じた。こうした経験が、バンコク・ブループリントの策定に向けた議論の背景にある。

日本企業への含意

日本の金融機関や決済事業者がタイを含むASEAN諸国で国境を越える決済サービスを展開・提携する際、利便性の向上とサイバー詐欺対策を同時に設計段階から組み込む必要性が増す可能性がある。ルワンダの事例が示すように、システムの高速化・低コスト化は利用拡大につながる一方、詐欺リスクの増大も伴うため、AIによる不正検知機能の実装やFSB・IMFが示す国際的な枠組みへの対応が、今後の取引基盤構築における検討事項になる。

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本記事の円換算は当日のレート(10000IDR=88.31円 / 1000VND=6.11円 / 1THB=4.72円 / 1PHP=2.52円 / 1MYR=38.73円 / 1SGD=123.69円 / 1USD=158.30円)によります。

出典

本記事は上記1社の報道にもとづきます。

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