シンガポール中銀、政策据え置き コア物価見通し1.5~2%に下方修正
シンガポール金融管理局(MAS)は10月14日、金融政策を据え置き、2026年のコア物価見通しを1.5~2%に下方修正したと発表した。
MAS(中央銀行と金融監督当局を兼ねる)は10月14日、シンガポールドル名目実効為替レート(S$NEER)を軸とする金融政策を据え置くと発表した。政策バンドの傾き、幅、中心水準のいずれも変更しない。ロイター通信が決定前に調査したアナリスト10人全員が引き締めを予想していたが、MASは据え置きを選んだ。背景には、8月のコア物価上昇率が2.2%と2024年9月以来の高水準になった一方、シンガポールの経済成長が7~9月期に前期の6.2%から5.4%へ減速したことがある。
MASは2026年のコア物価見通しを従来の1.5~2.5%から1.5~2%に引き下げ、総合物価見通しは2%とした。2027年についてはコア物価、総合物価とも1.5~2.5%の見通しを維持した。MASは声明で、輸入コストの落ち着きと国内の物価圧力の抑制により2027年にかけて物価が鈍化すると説明する一方、「当面、物価上昇リスクは上振れ方向に傾いている」とも指摘した。
背景
MASは2026年に入り4月と7月の2回、政策バンドの上昇ペースを引き締めており、7月の引き締め幅は4月より小幅だった。こうした流れを受け、市場では今回も追加引き締めが予想されていたが、成長減速とコア物価の落ち着きを踏まえ、MASは政策を据え置く判断をした。
日本企業への含意
シンガポールで事業を展開する日本企業にとって、為替バンドの据え置きはシンガポールドル相場の急変動が当面抑えられることを意味し、現地調達や価格設定の計画が立てやすくなる可能性がある。一方でコア物価が高水準にあり上振れリスクも残るため、人件費や仕入れコストの上昇が続く前提で収支計画を見直す必要がある。
本記事の円換算は当日のレート(10000IDR=88.31円 / 1000VND=6.11円 / 1THB=4.72円 / 1PHP=2.52円 / 1MYR=38.73円 / 1SGD=123.69円 / 1USD=158.30円)によります。

