10月23日(金) 現地報道と公的統計から、日本のビジネスパーソンに有益な情報をピックアップしています
東南アジアのビジネスニュースを日本語で

フィリピン外貨準備999.97億ドル、3年ぶり1000億ドル割れ

フィリピン中央銀行(BSP)は9月末時点の外貨準備高(GIR)が999.97億ドル(約15兆8023億円)と、3年ぶりの低水準に減少したと発表した。

フィリピン中央銀行(BSP)は10月8日、2026年9月末時点の外貨準備高(GIR)速報値を発表し、999.97億ドル(約15兆8023億円)と2023年9月の981.16億ドル(約15兆5051億円)以来、3年ぶりの低水準になったと明らかにした。前年同期の1090.6億ドル(約17兆2345億円)と比べ8.31%減少し、7カ月連続の前年割れとなった。8月末の1048.46億ドル(約16兆5686億円)からも4.62%減少し、月間でも落ち込んだ。9月中はペソが対ドルで6回にわたり過去最安値を更新し、9月14日には1ドル=62.86ペソ(約158円)、15日の取引時間中には62.925ペソ(約158円)まで下落した。2025年12月29日の58.79ペソ(約148円)からの下落率は9月末までで6.15%(3.85ペソ、約10円)に達した。

内訳をみると、金保有は178.22億ドル(約2兆8164億円)で前年比8.77%増えたものの、8月末の191.09億ドル(約3兆198億円)からは6.73%減少した。外貨預金は30.83億ドル(約4871億9975万円)と前年比37.81%減ったが、政府が8月に対外債務返済のため取り崩した反動で月間では100.52%増加した。外貨建て有価証券は644.39億ドル(約10兆1832億円)、IMFリザーブポジションは7.231億ドル(約1142億6991万円)、SDRは39.31億ドル(約6212億733万円)だった。現在の準備高は短期対外債務の3.2倍、輸入決済6.3カ月分(国際基準は3カ月)を賄える水準にある。BSPは「現在のGIR水準は輸入決済や対外債務返済、外的ショックへの備えとして十分な外貨を提供する」としている。ユニオンバンク・オブ・ザ・フィリピンズのルベン・カルロ・O・アスンシオン・チーフエコノミストは「準備高は3年ぶりの低水準だが、対外ポジションの指標は依然健全性を示している」と述べた。

背景

9月のペソ安は中東情勢の再緊迫化や国内インフレ、米連邦準備制度理事会(FRB)の金融引き締めが重なって進行した。BSPは外貨流動性を供給してペソの変動を抑える為替介入を続けてきた。国家政府(NG)は9月中、対外債務の返済に充てるためBSPへの外貨預金を取り崩した。金の評価額も8月から9月にかけて低下し、準備高の目減りにつながった。

日本企業への含意

フィリピンに進出する日本企業にとっては、ペソ安の進行が輸入コストや現地通貨建て債権の目減りにつながる可能性がある。準備高は減少したものの、短期対外債務の3.2倍、輸入決済6.3カ月分をなお賄える水準にあり、BSPによる為替介入が続く局面では、取引通貨の見直しや為替ヘッジの検討が必要になる。

PRVRIAcademy 東南アジアの現地スタッフに、日本トップ企業の研修を。英語・オンラインライブ、次回2027年1月12日開講

本記事の円換算は当日のレート(10000IDR=88.43円 / 1000VND=6.11円 / 1THB=4.70円 / 1PHP=2.51円 / 1MYR=38.66円 / 1SGD=123.38円 / 1USD=158.03円)によります。

出典

本記事は上記1社の報道にもとづきます。

メールで受け取る

1週間の東南アジアのビジネスニュースを、月曜の朝に1通にまとめて送ります。