シンガポール、AI導入23.5%に上昇 デジタル経済1441億ドル規模に
IMDAが発表した2025年版シンガポール・デジタル経済報告書で、企業のAI導入率が23.5%に上昇し、デジタル経済規模が1441億シンガポールドル(約17兆7638億円)に拡大したことが分かった。
情報通信メディア開発庁(IMDA)は10月5日、2025年のシンガポール・デジタル経済報告書を公表した。企業全体のAI導入率は2024年の14.7%から23.5%に上昇し、中小企業も14.5%から23.4%に、大企業は62.5%から70.4%に伸びた。デジタル経済規模は1365億ドルから1441億シンガポールドル(約17兆7638億円)に拡大し、GDPに占める比率も18.8%から19.3%に上がった。テック分野の雇用は21万4000人から22万2200人へ3.8%増加した。あわせてIMDAは、働き手のAIスキル育成を進める「National AI Impact Programme」の拡充を発表した。
非テック産業のデジタル経済は970億ドル(約11兆9576億円)で前年比3.6%増、テック産業そのものは471億ドル(約5兆8062億円)で6.1%増えた。テック人材の月額賃金中央値は7950ドルから8000シンガポールドル(約99万円)に上昇し、全労働者の中央値4860ドルから5000シンガポールドル(約62万円)より6割高い水準となった。今後12カ月にAI導入を計画する企業は2023年の5.6%から12.1%に増え、職場でAIを使う労働者は78%から86%に拡大。73%が生産性向上、69%が業務品質の改善を実感する一方、AI研修を実際に受けた労働者は37%にとどまり、68%が学び直しの必要性を感じていた。IMDAは、同庁として「クリアな案内役と幅広い支援があれば、より多くの労働者が適切な研修を受けられるようになる」との認識を示した。拡充プログラムでは今後3年でテック人材4万人に高度なAI技能を、2029年までに非テック人材10万人を含め計14万人を育成する計画だ。
背景
シンガポール・デジタル経済報告書はIMDAが毎年公表しており、前年との比較で導入動向を追跡している。今回の調査では、AI活用が広がる一方で、学び直しの必要性を感じる労働者と実際に研修を受けた労働者との間に差があることが明らかになった。
日本企業への含意
シンガポールに拠点を持つ日本企業は、現地の人材がAI活用スキルを急速に高めている一方、研修機会の偏りが残る点を踏まえ、自社の人材育成投資や研修提供の余地を見直す必要がある。テック人材の賃金上昇も続いており、採用・待遇面での競争力確保が課題になる可能性がある。
本記事の円換算は当日のレート(10000IDR=88.02円 / 1000VND=6.08円 / 1THB=4.70円 / 1PHP=2.52円 / 1MYR=38.62円 / 1SGD=123.27円 / 1USD=157.73円)によります。
出典
本記事は上記1社の報道にもとづきます。

