マレーシア最低賃金2000リンギ案、93%が賃金調整圧力懸念
マレーシアの中小企業団体と小売チェーン団体が最低賃金引き上げ案に反発、企業333社の調査結果を公表した。
マレーシア中小企業連合会(SMEAM)とマレーシア小売チェーン協会(MRCA)は2026年10月2日、クアラルンプールのメナラGベスターで共同記者会見を開き、最低賃金引き上げ案に懸念を示した。現行の最低賃金は月1700リンギ(約7万円)で、2022年以来の1500リンギ(約6万円)から2025年2月1日に従業員5人以上の企業を対象に引き上げられ、同年8月1日には零細・小規模企業にも適用が拡大された経緯がある。今回、政府が月2000リンギ(約8万円)前後への再引き上げを検討しているとされ、SMEAMが実施した「最低賃金見直し2026」調査(333社回答、製造業・小売・飲食業が中心)の結果が公表された。
調査では61.6%の企業が「12か月前と比べ経営状況が悪化または著しく悪化した」と回答。引き上げ賛成はわずか6.6%にとどまり、45.9%が明確に反対、21.3%が経済状況の改善まで延期すべきと答えた。影響面では、92.8%が既存従業員の給与調整圧力を予想し、76.9%が運営コストの大幅増加、59.5%が利益率の低下、57.4%が製品価格の引き上げを見込むと回答。63.7%の経営者は今後の賃金調整で最も重視すべき要素として従業員の生産性を挙げた。SMEAMのチン・チーシオン会長は「賃金上昇は生産性や業績、経済状況と連動すべきだ」と述べ、賃上げ自体には反対していないと説明した。MRCAのダトゥ・リュー・ビン会長は「西アジアでの戦争による原材料不足やコスト増に直面しており、政府には引き上げの再考を求めたい」と述べた。
背景
マレーシアは2022年に最低賃金を月1500リンギ(約6万円)とし、2025年2月に従業員5人以上の企業を対象に月1700リンギ(約7万円)へ引き上げ、同年8月には零細・小規模企業にも適用を拡大した。今回、月2000リンギ(約8万円)前後へのさらなる引き上げが検討されている。
日本企業への含意
マレーシアに製造・小売拠点を持つ日本企業は、最低賃金引き上げが実現すれば人件費上昇とともに既存従業員の給与再調整圧力に直面する可能性がある。特に労働集約的な製造業や小売・飲食分野では利益率低下や価格転嫁の検討が必要になる。生産性向上や自動化投資を同時に進めることで、賃上げに伴うコスト増を吸収する体制づくりが求められる。
本記事の円換算は当日のレート(10000IDR=88.22円 / 1000VND=6.08円 / 1THB=4.70円 / 1PHP=2.52円 / 1MYR=38.62円 / 1SGD=123.37円 / 1USD=157.83円)によります。
出典
本記事は上記1社の報道にもとづきます。

