米商務省、ベトナム産エビに最終税率10.71%など決定
米商務省は2026年11月4日、ベトナム産温水エビの反ダンピング税第20次行政見直しで最終税率を発表し、サオタ・フードに10.71%、他社に7.59%などを適用した。
米商務省(DOC)は2026年11月4日、ベトナム産温水エビを対象とする反ダンピング税の第20次行政見直しについて最終税率を発表した。大手輸出企業のサオタ・フード(Sao Ta Food、ベトナム有数のエビ輸出企業)には10.71%、ソクチャン・アクアカルチャー(Soc Trang Aquaculture、ベトナムのエビ輸出企業)には6.36%、クリーン・アクアティック・プロダクツ・ベトナム(Clean Aquatic Products Vietnam、原料供給網を自社で持つエビ輸出企業)を含むその他企業には7.59%の税率が適用される。いずれも米国向け温水エビ輸出に課される追加関税で、ベトナムの複数の輸出企業がこの決定を受け対応を検討している。
税率の変動は前回審査からわずかで、サオタは前回の10.76%から10.71%に、ソクチャンは6.3%から6.36%に、それぞれ微調整された。サオタのホー・クォック・ルック会長は、DOCがエビ餌料の代替価格を実態の10倍で算定し、稚エビの餌料費比率6%を成魚にもそのまま100%適用した点を問題視したと述べた。同会長は米国市場に20年以上取引する大口顧客がいるとして撤退しない考えを示した。クリーン社のヴォー・ヴァン・フック会長兼社長は、自社で原料調達から生産までを一貫して担う体制がかえって餌料データで不利に働いたとし、米通商裁判所への提訴でベトナム企業と連携する方針を示した。
背景
今回は温水エビに対する反ダンピング訴訟の第20次行政見直しで、米国の貿易救済制度に基づき継続的に実施されてきた。ベトナムの複数エビ輸出企業は公表後、公正で合理的な税率を求め動向を注視すると表明している。ベトナムのエビ輸出額は2026年上半期に23億ドル(約3643億2758万円)、前年比14%増となり、政府は2026年の水産物輸出目標を115億ドル(約1兆8216億円)、漁獲・養殖生産量目標を1000万トンと定めている。
日本企業への含意
日本の水産輸入商社や食品メーカーにとって、米国向けベトナム産エビの価格競争力低下は、調達先の分散やベトナム以外の産地との比較検討を促す要因になる可能性がある。またベトナム国内のエビ需給バランスが変化すれば、日本向け輸出価格にも影響が及ぶ可能性があり、現地調達契約の条件確認が必要になる。
本記事の円換算は当日のレート(10000IDR=87.28円 / 1000VND=6.14円 / 1THB=4.69円 / 1PHP=2.50円 / 1MYR=38.84円 / 1SGD=123.62円 / 1USD=158.40円)によります。
出典
本記事は上記1社の報道にもとづきます。

